第8号 平成16年11月1日発行

母子看護について---母と子に優しいカンガルーケア

看護師 山内 祐子

 カンガルーケアは、1979年に南米で保育器不足から始められました。生まれたばかりの裸の赤ちゃんをお母さんの胸に抱っこして、その上から暖かいバスタオルで覆い、そのまま30分以上過ごします。最初、低出産体重児に対して行われていましたが、その効果から満期産児にも行われ、母と子の絆づくりに役立っています。

 出産直後のお母さんは、喪失感と疲労感から呆然としているといわれています。その様な状態で赤ちゃんをお母さんから引き離すと、お母さんにとっては喪失感と疲労感だけが残ってしまいます。この身体感覚的喪失感は、カンガルーケアをすることにより、達成感とともに喜びに変わるのです。
 もちろん、人間は複雑ですので、カンガルーケアだけがすべてではありませんが、『母と子のより良いスタートのために』と考え、当院では平成十三年より正常分娩後のお母さんを対象に始め、大変好評であったため、翌年には帝王切開術後のお母さんにも、さらにその翌年にはお父さんも対象に行うようになりました。
 赤ちゃんは、カンガルーケアの間、始めは気持ち良さそうにしていますが、次第にお母さんのお腹の上を移動し、おっぱいを捜して吸うようになる子もいます。赤ちゃんとお母さん、お父さん、おばあちゃん、おじいちゃん、上のお子さん達と幸せな時間を共有できます。
 人は誰でも触れ合うことで癒されるものです。しかし、出産直後の母と子の接触は、医療スタッフ全員が「カンガルーケアをさせてあげたい」という気持ちで結ばれていることと、前もってお母さんやご家族のご理解が重要といわれています。
 当院は地域の基幹病院としての使命があり、他の施設からの紹介でのお産を受けるなど、安全性や緊急性が求められています。安全と安楽が同時に実現できるよう、ケアの受け手である皆様と話し合いながら、より良い看護を目指して行きたいと思っております。


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-----目次一覧------

1

地域がん診療拠点病院を目指して

岐阜市民病院長 伊藤隆夫

2

がん診療への取り組み

がん拠点病院準備委員長 大下 裕夫

3

緩和ケアチームの紹介

看護師 小松 博子

4

「がん」と上手につきあうために

呼吸器科腫瘍内科部長 澤 祥幸

5

母子看護について
母と子に優しいカンガルーケア

看護師 山内 祐子
6

家族でふれあう七夕会

看護師 堀 仁美
7 医薬分業について
薬剤部
8 第3回糖尿病教室イベント
岐阜市民病院糖尿病療養指導委員会
9 編集後記 岐阜市民病院広報委員会編集部